いつか自分のお店を持ちたい!その夢の実現のための第一歩がお金を貯めることからスタートします。では、成功する美容室を開業するために自己資金はいくら用意すればいいのでしょうか?また、お金を借りるときに金融機関がどんな基準で『自己資金』を判断するのかを知っておくと、確実な第一歩が踏み出せます。

1) 「自己資金」って何?
美容室を開業するために金融機関からお金を借りる人がほとんどです。金融機関からお金を借りるためには、自己資金要件という条件があります。美容室を開業するためにこれまでにどれくらい準備してきたのか。その「準備」とは、いくらあるの?という金額で評価されます。つまり、自己資金とは、美容室開業のために自分で貯めてきたお金の事です。

2)どんなお金が自己資金になるのか?
両親から開業のために借りたお金は自己資金になりますか?答えは、NOです。金融機関が自己資金として判断するのは、次の2つの要件があります。
① これまで働いて稼いだ給与の残りをコツコツと貯めてきたお金であること
② 自分名義の通帳で、貯めてきたお金の経緯が確認できること
両親から貰ったお金はどうなるのかといえば、①、②の要件は満たしていませんが、貰った事実が確認できれば自己資金として判断してくれることもあります。「たんす貯金」はどうなるのか?美容室だと現金で給料を貰う人もいますから、開業準備のためのお金を銀行に預けずに貯めていたケースもあり得ます。でも、「たんす預金」では自己資金として判断されにくいのは事実ですから、もし、今の時点で「たんす預金」で開業資金を貯めている人は、銀行の通帳に予め移動させておくことをお勧めします。

3)必要な自己資金はいくら?
日本政策金融公庫の創業の時に使う融資の自己資金要件は、借りたい金額の10分の1以上の自己資金が必要と要件があります。例えば、100万円の自己資金があるとすると、借りられる上限は、900万円になります。これが自己資金要件です。もちろん、100万円自己資金があれば、900万円が必ず借りられる訳ではありません。最低限の条件と考えたほうが良いです。平成24年3月までは、自己資金要件として3分の1以上が必要でしたが、現在は緩和されて10分の1以上となっています。日本政策金融公庫の制度の中には、認定支援機関の制度を活用すると自己資金要件がないものもあります。

お金を借りるための自己資金の額と、成功する美容室を開業するための必要な自己資金の額については分けて考える必要があります。確実な事は、金融機関からすれば、美容室を開業しようとする姿勢を自己資金の金額から推測しています。借入する必要がない方は別として、金融機関からの融資が受けられないと美容室開業がスタートできません。まずは、スタートラインに立つための自己資金を貯めるところから始めましょう。