成功する美容室開業のスケジュール

将来、自分のお店を持ちたい!

でも、何から準備をしたら良いのか?

いろいろな不安があると思います。まずは、美容室を開業するまでのスケジュールを見てみましょう。

美容室開業までの流れ

① 自己資金を貯める
② どんなお店を作りたいのか事業計画を作る
③ 立地・物件を探す
④ 店舗内装業者を選ぶ
⑤ 美容ディーラーを選ぶ
⑥ 具体的な事業計画を作る
⑦ 融資の申込
⑧ 融資の決定
⑨ 賃貸契約、内装業者との契約
⑩ オープン告知の準備
⑪ スタッフ採用の準備
⑫ 保健所・消防検査
⑬ 税務署への開業届
⑭ 美容室オープン

『① 自己資金を貯める』

融資を受けずに美容室を開業できる人は、ほとんどいません。美容室を開業するための融資を受けるには、「自己資金」を準備しておく必要があります。どれくらいの自己資金が必要なのか?は、どれだけの大きさのお店を作るのかで変わります。自己資金で一番大切なことは、「あなたの通帳」で、「もらった給与から生活に必要なお金を支払った残りが貯まったお金」であることが必要です。お金を借りるために、通帳にいきなり入金されたようなお金は、金融機関では「自己資金」として認めてもらえない可能性もあります。

 

『② どんなお店を作りたいのか事業計画を作る』

「どうして開業したいのか?」、「どんなお店を作りたいのか?」 まずはココからスタートしましょう。いきなり売上から考えるのはNGです。今のあなた自身の状況、家庭環境、そして、あなたのやりたいこと。あまり難しく考えずに、やりたいことをわがままに書き出してみると良いです。

 

『③ 立地・物件を探す』

「美容室の売上は、立地で6割が決まります。」少し大げさな話と思われるかもしれませんが、これは事実です。どれだけ素晴らしい技術があっても、どれだけ素晴らしいキャリアがあっても、立地が悪ければ売上は上がりません。お客様が来やすいお店と、そうでないお店、どちらの経営が楽だと思いますか?美味しい飲食店だったら、どれだけ不便な場所でも行きますか?一部のお客は来てくれますが、ほとんどのお客様はそうではありません。立地が売上の6割を決める。物件選びが一番大切です。

 

『④ 店舗内装業者を選ぶ』

美容室の開業で一番お金がかかるのが内装費用です。あなたの作りたいものを作ると内装費用も大きくなります。使っても良い予算内で、しっかりと相談に乗ってくれる内装業者を選びましょう。

 

『⑤ 美容ディーラーを選ぶ』

美容室経営に必要な情報のほとんどは美容ディーラーが持って来てくれます。大切な美容室経営のパートナーでもありますので、しっかりと相談に乗ってくれる美容ディーラーを選びましょう。

 

『⑥ 具体的な事業計画を作る』

お店の場所も決まり、内装業者、美容ディーラーも決まったところで、いよいよ融資に向けた具体的な事業計画作りがスタートです。大切なことは、すべてが具体的であること。売上が右肩上がりの計画書=融資が受けやすい計画書、ではありません。売上も支払も、すべてに根拠が必要です。融資のプロに相談しながら作成するなら別ですが、自分で融資を受ける人は、すべて自分で説明ができるようにする必要があります。1000万円の借入が必要なのに、800万円の融資しか受けられない。これでは開業が出来なくなります。この様な事に慎重に事業計画を作りましょう。

 

『⑦ 融資の申込』

融資の申込に必要なすべての資料を準備したら、いよいよ金融機関へ融資の申込をします。美容室の開業でお金を借りる場合は、金融機関の信用保証制度を利用するか、日本政策金融公庫のどちらかになります。それぞれ事前に準備する資料が異なりますから、予め確認しておいたほうが良いです。自分で申込をする人は、金融機関に借入申込資料を持参して、その金融機関で面談を行います。面談には予め予約が必要です。当事務所にご依頼いただく場合は、当事務所で面談を行います。金融機関の担当者と開業希望のご自身、そこに美容室専門税理士が面談に立会いますから、どんな質問が来ても心配はありません。

 

『⑧ 融資の決定』

融資の申込から決定までにかかる時間は、自分で申し込む場合と、専門家に依頼した場合などで変わってきます。当事務所で借入面談した方の最短記録は、なんと!面談の翌日。これは特別なケースとして平均して1週間から10日前後。ご自身で申し込む場合は、1ヶ月前後の時間が必要になるケースが多いです。融資の決定から実際に入金されるまでは、金融機関との金銭消費貸借契約書の作成が完成してからになります。融資の決定さえ下りれば、借りたお金が近いうちに入金されることは確実です。

 

『⑨ 賃貸契約、内装業者との契約』

融資の決定を受けたら、さっそく不動産の本契約、内装業者との本契約がスタートできます。それまでは、仮契約で止めておく必要があります。不動産の賃貸契約については、実際に美容室をオープンするまで数ヶ月ありますから、フリーレント契約(家賃がタダ)やオープンまでの家賃の減額交渉をすることをお勧めします。内装業者からの見積りは、数社の見積りと比べることも大切です。デザインだけではなく、予算との兼ね合いをしっかりと相談できる内装業者を選びましょう。一般的には、当初の内装見積から1割から2割程度、工事費用が最終的に上がってしまうことが多いです。余裕を持った見積りを取ることをお勧めします。

 

『⑩ オープン告知の準備』

当たり前ですが、お客様はまだ、あなたのお店のことを知りません。ですから、事前にお店がオープンすることを告知することが必要です。以前に勤務していたお客様に案内を送る場合は、トラブル防止のために、必ず事前に前職の責任者の方に確認を取りましょう。オープン告知で最も強力なのは、ホットペッパービューティー、楽天ビューティーなどのネット集客ツール、そして、お店の周辺地域の人への折込チラシ、ポスティングです。予算に余裕があれば別ですが、オープン前から集客用に高額なホームページを作成することはお勧めしません。

 

『⑪ スタッフ採用の準備』

スタッフを採用するということになれば、どんな条件で働いてもらうのかをしっかりと決めて、雇用する時に雇用契約書を作成しておきましょう。労災・雇用保険、社会保険などの法律の手続きも必要になります。スタッフを採用する場合には、使える助成金も出てくる可能性がありますので、しっかりと情報収集することが大切です。

 

『⑫ 保健所・消防検査』

美容室は許認可制ですから、開業の前に検査を受ける必要があります。保健所からの許可を受けるために、内装の追加工事などが発生するケースもありますので、予め必要な項目を内装業者と打ち合わせておく必要があります。保健所からの許可書は、お金を借りた金融機関に提出を求められることもあります。

 

『⑬ 税務署への届出』

個人で開業する人、法人で開業する場合では必要な届出資料の種類は異なります。個人事業で美容室を開業する場合は、開業した日から1ヶ月以内に個人事業の開業届出を、65万円が控除される青色申告を選択する場合は、開業した日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出する必要があります。

 

『⑭ 美容室のオープン』

いよいよ美容室のオープンです。オープンの前に、関係者のお店をお披露目するレセプションや、関係者だけに告知をして来店してもらうプレオープン、すべてもお客様に来て頂くグランドオープンがあります。お勧めなのは、1週間程度プレオープンの時間を設けて、知っている方からいろいろな意見を教えてもらい、十分な対策を準備してからグランドオープンができると良いですね。

 


どうですか?イメージ出来ましたか?

成功する美容室を開業する鍵は、とりあえずオープンしてから頑張ろう!ではなく、頑張るのはオープンする前。オープンするまでに成功するための準備を頑張ってすることです。何店舗もあるチェーン店を見れば分かります。とりあえずお店を出してみて、上手く行くかどうかなんて、大手は絶対にしません。この立地なら、この環境なら、この準備さえ出来ていれば、この条件が揃って初めて出店です。

成功する美容室を開業する秘訣は、まさに開業までの万全の準備にあります。