利益を出す一番簡単な方法を知っていますか?
今年は『赤字決算』だった。よし、来年こそ頑張って売上を上げて利益を出すぞ!
でも、頑張る前に、やるべき事があります。
美容室経営が上手く行かなくなったとき、とにかく頑張って売上を上げるというのは、ほとんどの場合上手く行きません。なぜかって? だって、これまでも十分に頑張って来たでしょ?
だから、経営が上手く行かなくなった時こそ、頑張って売上を上げる努力をするのではなく、まずはお店の経営構造の全体を、一度冷静になって観察することから始めてみましょう。
(美容室の経営構造)
売上高 | ⇗ | 商品・サービスの変更 |
- 売上原価 | ⇘ | 仕入方法の変更 |
粗利益高 | ⇗ | |
- 経費 | ⇘ | 分配率コントロール |
利益 | ⇗ | |
- 税金 | ⇘ | 節税 |
純利益 | ⇗ | キャッシュフロー |
- 借入返済 | ⇘ | 返済計画の変更 |
手元資金 | ⇗ | オーナーの給与 |
売上の上げ方について言えば、『こうすれば売れる!』『ああすれば売れる!』とか、こんな話が沢山ありますよね。
でも、自分の会社の中で、何を選択すれば良いのか分からない。だから、売上を上げるのは難しいように見えてしまいます。
もう1つ、売上を上げるのが難しい理由は、売上の考え方が間違っているから。
正しい売上の考え方は、『売上とは、わが社が売った金額ではなく、お客様が買った金額』なんです。
だから、売上を上げようとしても、お客が要らない!って言えば売上は絶対に上がりません。
要するに、売上は『他力』なんです。本来は自分の力ではどうにもならないモノなんです。
では、今回のテーマの『経費』はどうでしょう?
同じ性能なら、こっちのサービスを使ったほうが安いとか、今は資金繰りが厳しいからこの契約は止めておこうとか、見直しをしようとか。
経営者が決断さえすれば、経費はすべてコントロールすることが出来ます。
売上は『他力』だけど、経費は『自力』なんですね。
経営が上手く行かなくなったとき、一番にやるべき事は、会社の経営構造を全体観察すること。
そして、下から順番に打つべき手を考えて、他力ではなく、自力でコントロールできる経費から手をつける事が大切です。
経費のコントロールのやり方ですが、『経費の分配率コントロール』を活用します。
簡単説明しますと、労働分配率(人件費)、不動産分配率(不動産コスト)、販促分配率(販促コスト)、管理分配率(その他の管理費用)が、自分の会社の理想範囲内に中に収まっているかを診断します。
理想範囲を超えている経費項目について、その原因を探り、理想範囲に収まるための対策を打ちます。
また、理想範囲に収まっている経費項目については、必ずしも比率が少なければ良いという訳ではなく、理想範囲の最大値まで経費を使って会社のパフォーマンスを上げるという考え方もあります。
例えば、経費診断の結果、労働分配率が理想範囲よりも5%少なかった場合、あと5%支払っても予定していた会社の利益は確保できるわけなので、社員教育にお金をかけるとか、福利厚生を充実するとか、ボーナスを払ってみんなのやる気を上げるなど、活用の仕方はいろいろあります。
お店の利益を上げるのは、売上を上げるだけではありません。
経費の性質を知れば、美容室の利益を上げるための選択肢が格段に増えます。
ぜひ、経費の分配率コントロールを活用して美容室の成長に繋げて下さい。