美容室開業のやってはいけない
失敗事例【2】 「内装工事の見積と実際の金額」
結局、こんなに高くなってしまいました。まあ、仕方ないですね。
開業した後、よく聞く言葉です。
内装工事の見積りを初めて作る時というのは、どの施工業者さんでお願いするかを検討している段階です。
ほとんどの場合は、初めにどこか施工業者さんに物件の中を見てもらって、ざっくりとした見積りを作ってもらいます。
そのざっくりとした見積りの段階で、他の業者さんにも話しを聞いてみたりして、自分の感覚と合うかどうか、予算に合うかどうかで業者さんを決定することが多いです。
自分の予算よりも、どちらかというと、話をしっかりと聞いてくれるかを優先した方が良いです。
値段だけで比較すると、ほとんど後出しじゃんけんの世界。先にA社で図面を引いてもらい、見積書を作成してもらった後に、その図面、見積書をB社に持っていけば、B社はA社よりも安い値段を提示します。結果としてどうなるかと言えば、B社の提示した値段は、それ以上の値引きもデザインの変更も難しくなったりします。
そのデザインだから、その値段なんです、と。
もし、A社さんがしっかりと話を聞いてくれる会社であれば、こちらの予算と要望をしっかりと伝え、B社さんの対応も伝えながら、値引き交渉ではなく、大人としてのお願いを真摯に相談すれば、結果としてA社でお願いした方が良いケースの方が多いです。これは個人的な経験則でしかありませんが。
話は戻りますが、施工業者さんが決まった後の見積書。
いわゆるこれで工事を進めますね!という最終的な見積書になりますが、工事が完成した時には、この見積書よりも費用が大きくなったりします。
その理由は、ほとんどの場合は、依頼者の自分が原因であったりします。もしくは、物件の特殊な事情によるものが多いです。
見積書の金額の1割から2割程度は最終的には費用が多くなると考えていた方が良いです。
結果として、当初購入しようとしていた美容機材が買えなくなったり、運転資金として確保していた資金を使う必要があったり、最悪のケースとしては、建築費用の残金の支払が出来なくなってしまうこともあり得ます。
建築費用の最終支払は、本来は引渡しの時になったりしますが、オープンの時までに最終工事が間に合わず、ずるずると時間が経過し、その他の機材、仕入、給与などの支払をする内に、工事費用の残金の支払が出来なくなってしまうということもあったりします。
こうなってしまうと最終的には訴訟となり、美容室の経営が困難となります。
どんな対応していれば良かったのか?
結論としては、最終見積書から1割はコストが上がることを想定して、当初より事業計画を立てておくことが必要です。
1割から2割のコストが上がる原因は、工事が進むにつれて工事の修正をお願いしたいことが多くなります。
どうしても気になってしまうんですね。
また、内装工事の見積書には当初から含まれていなかった物件の残地物の撤去や、水道管の腐食、電気設備の不具合、店舗外の追加工事など、予定外の追加工事も増加の要因となります。
内装業者さんの問題ではなく、依頼者であるこちら側の問題なので、これ自体は避けることが出来ません。
事業計画の当初から見積書の1割から2割を予算として組み込んでおくことが必要となります。
具体的な対応
決め事として、最終の見積書の金額から1割から2割は上がると想定して事業計画を立てること。
工事の進捗によって、こうしたい、ああしたいと想いは巡りますが、当初の工事予算は絶対に守ること。
お客様にとって必要な工事であるかどうかを最も重要な判断基準とすること。
そして、工事予算のお金は、支払時期が遅くなっても必ず支払えるように別の預金などに確保しておくことが大切です。