美容室開業のやってはいけない
失敗事例【3】 「前の経営者との契約書」
退職するなら、この書類にサインしてね。破ったら訴えるよ。
美容室を経営する上で、固定客というのは重要なお客様です。
自分が担当しているお客様には、自分のお店をオープンした後も付いてきて欲しい。そう思うのが心情としては当たり前かもしれません。
お店の立地を選ぶときに、今の担当しているお客様が来店してもらえそうな立地にお店を出そうとするのも、その心境が働いたりするからです。
でも、今の担当しているお客様は、自分を信頼してお客様になってくれているのは事実ですが、もう1つの事実は、そのお店のお客様でもあるわけです。
だから、開業による退職の場合は特に、固定客の流出防止、お店のカルテ情報を守るために、誓約書を書かされることが多いです。
開業した後にお客を奪ったといわれて、訴訟を起こされている方もいますし、特定の美容ディーラーとの取引をさせてもらえないなどの行為を受けることもあります。
どんな対応していれば良かったのか?
カルテ情報も持ち出しは法律違反なのは事実です。
ただし、誓約書の内容を見る限り、本当に署名しなければいけない内容か、疑問になるものも含まれていたりします。
どちらにしても、退職、そして独立という大きなイベントに際して、前職とトラブルを残すことは望ましいことではありません。
前のお店との関係性は大切した方が良いに決まっています。
どうしても納得できないような誓約書であれば、そのオーナーと相談し、場合によっては弁護士への相談を含めて、最低限、お互いが納得できる形での退職をすることが望ましいです。
結果として、今までのお客様というのは、独立した後に来店して頂けるのはとてもありがたい事ですが、でも、新規客獲得は美容室開業には必須になります。
固定客だけの店になった時点で、時間とともにお店は衰退してしまいます。
オープン当初から既存客に頼らず、新規客だけで経営が成り立つ事業計画を立てることと。その上で、ご来店頂ける既存客の方が見えたら、とてもラッキー。
これくらいの認識が独立開業には必要だと考えています。
オープン当初は、既存客だけで新規客が取れないという状況を良く聞きますが、時間の経過とともに、新規客獲得行為をしていないので、売上が減少していく傾向にあります。
開業当初から新規客をしっかり集客すること。
開業後の経営を早い段階で安定させるにはとても重要な考え方です。
具体的な対応
お店の退職に際しては、必ず勤務しているお店のルールを守ること。
退職することをいつまでの報告するべきか、担当のお客様の引継ぎ、お客様への連絡方法を事前に確認をしておくことが大切です。
ほとんどの場合は、そのお店の経営者との関係性が悪化した場合に、誓約書の署名などを求められる場合が多いです。
常に関係性を悪化させないこと。誓約書の内容に気になる点があれば、その経営者と相談しながら、必要があれば外部の専門家に相談することも必要です。
大人の対応が大切ですね。