美容室開業のやってはいけない

 

失敗事例【5】 スタッフに辞めてもらうお店

 

申し訳ない。給料が払えないから辞めてもらえるかな?

 

実際にあった話です。

開業して4ヵ月後。オープンから一緒に働いてくれていたスタッフに苦渋の選択で伝えた言葉です。

どうしてもお金が回らない。

借入返済も始まっている。

家賃の返済、内装工事、機材などの支払が始まり、自分の生活を切り詰めても、給与を払えない。

オープンして4ヶ月でそんな状態になってしまいました。

前職で一緒に働いていた自分の部下。

自分が美容室を開業するので一緒に来てくれないか?とお願いした方でした。

要するに、そのお店を辞めてもらってきているわけです。

その人の選択とはいえ、その人の人生を大きく左右してしまったことは事実です。

 

どんな対応していれば良かったのか?

なぜ資金繰りが悪化してしまったのか?

その原因は、2つあります。

1つはその人が売上が作れると言っていた事を当てにしてしまったこと。

もう1つは、オープンして数か月分の運転資金を確保していなかったことが大きな要因です。

もちろん、オープンからの集客も上手く行かず売上計画も達成出来ていなかったことも事実ですが、売上計画はもともと不安定なもの。

売上が達成したら、という計画で採用をすることは経営としては誤りです。

まず、開業は自分の力と責任で行うこと。オープンして1ヶ月もすれば、しっかりと売上が確保できるかどうかの目測は立ちます。

本当に採用したいのであれば、その目測を実現してから採用すべきです。

オープンしてから1ヶ月、2ヵ月後からお店に来てもらうことをの方が、そのスタッフさんにとっても最良の選択になります。

採用とは、人の人生を左右するということをしっかりと認識する必要があります。

オープン当初からスタッフ採用をする場合は、スタッフに支払人件費も家賃や借入金返済などの固定費として運転資金を見込む必要があります。

最低でも3か月分の運転資金を確保すること。

内装工事や機材に資金を使ってしまい、運転資金が不足してしまうと、最悪の場合は、スタッフに辞めてもらうという選択を選ばざる得ない状況になってしまいます。

 

具体的な対応

開業当初は面貸しで働いてもらう。

こんな考え方もあるかと思います。

でも、人を雇うという点で責任は同じです。

一緒に働いてもらうスタッフにどれだけお客が付いていたとしても、まずはお客はいない前提で事業計画を考えます。

自分のお客様と、オープンからの集客でスタッフを採用できるだけの利益が確保できるのか、しっかりと計画を作りこむことが必要です。

開業当初から一緒に働くスタッフを守ること。

大きな責任があることを認識した上で、運転資金を確保するための事業計画と計画の実行が大切です。

開業当初からスタッフを採用する場合は、キャリアアップ助成金などの助成金を積極的に活用することも開業を上手く軌道に乗せる秘訣です。