起業の際の悩みのタネ!自己資金は本当に必要なのか?
起業して何か事業を始めたいと思っても、そうそう簡単に事が運ぶわけではありません。
一番の問題はもちろんお金のこと。
特に自己資金が集められず、起業を断念してしまう人がたくさんいます。
しかし考えてみれば、出資や借入だけで資金を調達する方法もあるはずです。
なぜ自己資金なしでの起業はダメなのでしょうか。
自己資金がないと、なぜ起業できないのか?
店舗や事務所などを構え、それなりの規模の事業を始めるとなると、やはり開業資金もそれ相応の金額になってしまいます。
たいていの場合、自己資金だけで賄うことはできませんから、通常は親兄弟や友人、知人に頭を下げて出資してもらい、さらにはその上で金融機関からも融資を受けることになります(具体的には、金融公庫や各自治体の創業融資を利用)。
中でも重要なのが、金融機関からの借入です。
ところが、何の実績もないこれからの事業に対して、簡単に融資してくれるほど金融機関は甘くありません。
そこで要求されるのが、しっかりと練られた事業計画書と一定割合以上の自己資金というわけです。
反対から言えば、自己資金ゼロでは、金融機関からの融資を当てにしても無理。
実際上、事業に必要な資金の確保はできず、起業は到底不可能という事態に陥ってしまいます。
これが、起業に自己資金が必要な理由です。
起業の際に必要な自己資金の金額は?
では起業には、一体いくらの自己資金が必要でしょうか。
もちろん業種や経営規模によっても異なりますが、最低限でも100万円~300万円程度。
飲食業などのように店舗だけではなく、各種の設備まできちんと揃えなければならない業種では、初期投資にかなりの金額が掛かりますから、一般的には500万円~1,000万円程度の自己資金は確保しておきたいところです。
これに親類等からの出資と、金融機関からの融資を合わせたものが当面の事業資金となるわけですが、金融機関からの融資に際しては、自己資金の金額というよりは、むしろ事業資金全体に占める自己資金の割合が問題とされます。
たとえば金融公庫から好条件での融資を受けたいというのであれば、事業資金の3分の1程度の金額は、やはり自己資金として用意しておくことが望まれます。
いずれにしても起業を決意したら、まずはコツコツと資金を貯めていくことが大切です。
見せ金は厳禁!すべての信用を失ってしまいます
何事にもタイミングというものは重要ですが、それはビジネスでも同じこと。
そこで、今こそ起業のチャンスなのに、自己資金が足りないという人がついついやってしまうのが「見せ金」というやつです。
本当はお金などないのに、親や友人から一時的に借りて、さも自己資金があるように見せかけるというものです。
開業当初は顧客も少なく、それでなくとも経営が不安定なのに、あるべき自己資金がないということでは、借入金の返済や想定外の出費などで、一気に経営が傾いてしまうこともありえます。
それだけに見せ金は厳禁! もし発覚した時には、今までに築いてきた信用が全て消えてしまいます。
もちろん自己資金に関しては金融機関の審査も厳しく、融資の申込に際しては通帳の提出が求められますし、金額などから見て不審な入金と疑われた場合には、証拠を挙げて、見せ金ではないことを説明しなければなりません。
どうか以上の点には十分に注意してください。