固定資産税の対象となる償却資産とはどんなもの?

会社を経営している時、毎年納めなくてはいけない税金が法人税や固定資産税などです。

固定資産税は土地や建物といった不動産に対して課されますが、同じように施設設備や機械類などの資産にもかかってきます。

こうした資産は償却資産と呼ばれ、減価償却が必要なため、課税額が毎年変わってくるという特徴があります。

法人税の減価償却資産との違いとは?

償却資産は、法人税を計算する際の減価償却資産とよく似ていますが、これとは細かな点で違いがあります。
どちらも減価償却をすることで次第に価値が下がっていくという点では同様です。

しかし、固定資産税の対象となる償却資産には、減価償却すべき資産の全てが含まれているわけではありません。

減価償却が必要な資産の中でも、固定資産税の対象からは除外されるものがあるのです。
具体的にどういったものが償却資産に当たるかは、自治体のホームページなどにも書かれているケースがあるので、こういった情報も参考になるでしょう。
また、償却資産はその評価額の合計によっては固定資産税が課税されないこともあります。

つまり、会計帳簿の上で資産の減価償却を行っていても、必ずしも固定資産税がかかるわけではないという難しさがあるのです。

どんなものが償却資産に含まれるか

償却資産には、細かく分けると6種類の資産があります。

しかし、主に施設に付属する設備類と、機械・器具類とに分けて考えると分かりやすいでしょう。
施設に付属する設備というのは、例えば空調設備や電気設備などのことです。

事務所に取り付けられているエアコンやLAN配線といった設備類は、償却資産として扱われます。また、排水溝や門など屋外にある構築物も償却資産になります。
機械や器具類にも、償却資産として固定資産税がかかります。

具体的には、パソコンや電話、冷蔵庫など事業用に使っている機器などがそうです。

製造設備や土木機械といった大型の機械類ももちろんこの中に含まれます。
自動車や船舶などの乗り物も償却資産ですが、例外的に自動車税の対象となる自動車については、固定資産税の課税対象からは外されています。

償却資産にはどのように課税される?

償却資産として課税対象になるのは、毎年1月1日の時点で所有している資産になります。

しかし、償却資産はその一つ一つに対して課税されるわけではありません。

資産の合計額を元にして、固定資産税の税額が決められる仕組みになっています。
それぞれの事業主は、毎年1月末日までに償却資産の評価額を自治体に報告することが義務付けられています。

例えば構築物なら構築物、車両なら車両という6つの種別ごとに償却資産の価値を計算して、その合計額を報告するわけです。
ただし、10万円未満で一括で支払ってしまった備品など、課税対象に含まれないものもあるのでその点に注意しておきましょう。

また、資産の評価額の合計が150万円に達しなければ、固定資産税はかかりません。
このように、償却資産には自治体に提出した申告書を元に固定資産税が課されるのです。