源泉徴収票は何のためにあるの?税金を天引きする仕組みとは?
サラリーマンや公務員などの給与所得者にとっては馴染みの深い源泉徴収票。
しかし、会社やお店を立ち上げて事業主になると、今度は源泉徴収票を受け取る側ではなく作る側になります。
源泉徴収や源泉徴収票の詳しい意味を知っておくと、事業を続けていく上でも何かとためになることが多いのではないでしょうか。
会社は従業員の代わりに所得税を納めている
会社や役所などで働いていたことのある人なら、ほとんどの人が源泉徴収票という書類を受け取ったことがあるでしょう。
給与所得者として仕事をしているうちは、毎月の給与から様々な費用
が天引きされているため、手取りの額の少なさを嘆いた経験のある人も多いのではないでしょうか。
しかし、これらの税金や保険料は、元々給与所得者が国や自治体などに納めるべきお金です。
つまり、会社や役所は天引きしたお金をそのまま受け取っているわけではなく、国や自治体などに代理で納付しているわけです。
例えば、源泉徴収した所得税であれば、給与を支払った翌月の10日までに国に納めています。
見方を変えれば、給与所得者から事業者になった時、今度は従業員から預かった税金や保険料を国や自治体などに納める側になるということです。
会社は源泉徴収票をまとめて税務署に提出している
会社や役所では、源泉徴収した所得税を国に納付しているだけでなく、いくら納めたかということもまとめて税務署に報告しています。
給与所得者に対する源泉徴収票は、だいたい12月か1月ころに手渡されることが多いでしょう。
これは、年末の時点で天引きによっては不足だったり多すぎたりした税金を会社が調整しているためです。
この仕組みを年末調整と言い、最終的に源泉徴収した税金の額がはっきりした時点で、源泉徴収票を従業員に渡しています。
それと同時に、会社や役所は従業員全ての源泉徴収票を取りまとめて税務署に提出しています。
意味合いとしては、むしろこちらのほうがメインだと考えて良いでしょう。
税務署では、事業者から源泉徴収票を受け取ることによって、それぞれの納税者がいくら税金を納付したかを確認しているわけです。
なぜ所得税を源泉徴収することが必要なの?
国にとっては、源泉徴収によって税金を納めてもらうことで、納税漏れを防いだり、事務処理の手間を省くという意義があります。
会社側にはデメリットしかないようにも見えますが、所得税の徴収を行わなかった場合には、罰金の対象になることもあるので、源泉徴収はきちんと行うべきです。
また、源泉徴収は給与所得者に支払う給与だけでなく、弁護士や司法書士といった専門家に対する料金や報酬にも適用されます。
他にも、プロスポーツ選手や芸能人など、特定のスキルを持った人たちに金銭を支払う場合は、源泉徴収票を作成しなくてはいけないケースがあるので、注意しておきましょう。
源泉徴収すべき対象は、法律によって細かく規定されています。
事業内容によってはフリーランスなどに仕事を依頼するケースも出てくるかもしれません。
こうした点もあらかじめ知っておくと、ビジネスがより円滑に進められるのではないでしょうか。