支払調書って一体どんなもの?事業者なら知っておきたい基礎知識

支払調書の作成は、ビジネスを続けていると様々なシーンで必要になってきます。

会社の経営者だけでなく、会計や人事に携わっている担当者にとっても、支払調書は目にしたり扱う機会の多い書類です。

こちらでは、支払調書の基本的な事柄やその意味について説明をしています。

法定調書には2種類あり、支払調書はそのうちの1つ

まず、押さえておきたい基礎知識の1つが、支払調書は法定調書の中に含まれるということです。

法定調書には50種類以上のものがあり、大きく源泉徴収票と支払調書の2つに分けることができます。
これらの法定調書は、全て1月末日までに税務署に提出しなくてはいけません。

つまり、税金に関する申告と調査のために使われている書類が2種類の法定調書なのです。
源泉徴収票は、事業主が従業員に給与や退職金の支払いをした時に作成する書類です。

税務署では、給与所得者からの所得税の源泉徴収がきちんと行われているかどうかを、この書類によって確認しています。
これに対して、支払調書とは取引先や専門家、一般企業などへの報酬や料金の支払いをした時に、事業者が作成する書類になります。

つまり、支払調書というのは給与以外の支払いに関する証明書ということになるわけです。

支払調書を作らなくてはいけないのはどんな時?

税務署へ提出しなくてはいけない支払調書は、大変数が多いので、詳しいことは税理士や公認会計士といった専門家に相談すると良いでしょう。
専門家であれば、こういった点は基礎知識の中に含まれているため、調書の作成時や提出時にミスや漏れなどを防ぐことができます。
しかし、基本的に言えることは、料金や報酬などの支払いをした際には、ほとんどのケースで支払調書を作成する必要があるということです。

例えば、会社が外注先に金銭を支払って仕事を依頼した時には、報酬に関する支払調書を作らなくてはいけません。

また、事務所を賃貸で契約している場合は、賃料の支払いについての支払調書を作成して申告する必要があります。
その他にも、不動産の購入時や、利子の支払い時など、事業者は様々なケースで支払調書を作成することになります。

税理士事務所などでは、こういった調書の作成代行サービスを行っている所もあります。

支払調書は何のために作成するの?

支払調書は、税務署が所得税や相続税に関する手続きをするために必要になる書類です。
この調書を受け取った税務署では、金銭が支払われた会社や個人が正しく収入を申告しているかどうかを確認しています。

つまり、源泉徴収票とは違い、支払調書は取引先の経営の実態を調査するためにあるのです。
このように、支払調書とは法律上は税務署に対して提出する書類のことを指します。

しかし、取引先の会社や専門家からも支払調書を送ってほしいと言われることがあるのではないでしょうか。

支払調書には、実は取引先に対する発行義務というものはありません。

ビジネスを円滑に進めるための慣例として、取引先に対する調書の発行が行われてきたと考えて良いでしょう。
こういった基礎知識も押さえておくと、ビジネスを続けていく上でも何かと手間や時間を省くことができ、有利な点が多くなってくるのではないでしょうか。