確定拠出年金制度(iDeco イデコ)への加入
美容室を個人で経営していると事業主は「国民年金」が将来受け取れる唯一の年金制度です。
会社にお勤めの方は、厚生年金制度に加入しているので、「国民年金」と「厚生年金」の2つを受け取ることが出います。
国民年金制度の上乗せの制度が、確定拠出年金制度と考えると分かりやすいです。
毎月支払う掛金は、国民年金や小規模企業共済制度と同じく「所得控除」になり、支払った分が節税になります。
美容室を法人で経営されている方は、事業主も厚生年金に加入していますので、さらに上乗せの年金制度として加入することが出来ます。
美容室を個人で経営されている方、法人で経営されている方のどちらでも、本来払うべき税金を将来の受け取れるお金に回すことが可能になります。
確定拠出年金制度のメリット
〇トリプルの節税効果
①払い込んだ掛金は全額所得控除の対象になります。
個人事業主は、月額68,000円(年間81万6,000円)
法人役員(企業年金)は、月額23,000円(年間27万6,000円) ※要件により変わります。
②運用益は非課税
確定拠出年金制度は、自分で年金資金の運用先を選択することが出来ます。いわゆる投資のようなものです。
一般的に、投資をして、その投資商品が値上がりすると、その値上がり部分は「運用益」として課税されますが、
この確定拠出年金制度による運用益は、「非課税」になるというメリットがあります。
もちろん、選んだ投資先が必ずしも「運用益」が発生するわけではありませんので、この点は注意が必要です。
③将来の受取時に一括で受け取る時に退職所得扱い、分割で受け取る時に雑所得扱いになります。
一括で受け取ると「退職所得」として退職所得控除額が受けられます。
分割で受け取ると「雑所得」として公的年金等控除が受けられます。
受け取り方は、一部を一括で、一部を分割として受け取ることも選択できます。
〇夫婦で美容室経営をする方は両方加入できます。
夫婦で美容室を経営されている場合は、奥様に専従者給与を支給している場合が多いです。
小規模企業共済制度のように共同経営者としての立場でなくても、事業主、奥様のそれぞれの立場で確定拠出年金制度に加入して、それぞれが所得控除などのメリットを受けることが出来ます。
確定拠出年金制度活用のポイント
〇支払った掛金は60歳になるまで引き出すことは出来ない。
年金制度のため、一度支払った掛金は60歳までは引き出すことは出来ません。
小規模企業共済制度と比較すると、掛金については資金繰りを慎重に判断する必要があります。
〇貸付を受けることはできない。
小規模企業共済制度、倒産防止共済制度などは、これまで支払った掛金の一定の範囲内で、
貸付を受けることが出来ますが、確定拠出年金制度からは貸付を受けるという制度はありません。
事業用資金の運用という点ではなく、あくまでも将来のための備えとしての活用が主目的になります。
節税効果について
年間所得 700万円
月額掛金 68,000円
の場合
毎年の節税効果は、所得税、住民税を合わせて、年間269,280円
年間816,000円支払って、269,280円の税金を減らすことが出来ます。
年間所得300万円
月額掛金 12,000円
の場合
毎年の節税効果は、所得税、住民税を合わせて、年間28,800円
年間144,000円支払って、28,800円の税金を減らすことが出来ます。
事業主の年間所得1,000万円で、専従者給与として300万円支払った場合のお二人の節税効果のメリットとして参考にしてください。
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