開業した後の税金がどれくらいになるか?
開業する前の方の多くは、お店から給料をもらっていると思います。
給料という形で、勝手に天引きされているので、自分の税金を把握している人も少ないのではないでしょうか?
お店からの給料が300万円から400万円前後の方が多いですが、
年収300万円とすると、所得税で約6万円、住民税で約12万円程度。
住民税は、お店の天引きではなく、自分で納付していた方も多いので、給与明細で確認できるのが年間6万円程度になります。
年収300万円から400万円の方の感覚的には、
自分の給料から引かれている税金は、5万円から10万円程度と感じている方がほとんどになります。
開業1年目の税金はどうなる?
開業した月によって影響を受けますが、
例えば、7月にオープンした方のケースで考えてみます。
セット面4面、シャンプー台2台、20坪のお店で、お1人でスタートした方。
7月の売上 700,000円
8月の売上 800,000円
9月の売上 900,000円
10月の売上 900,000円
11月の売上 1,000,000円
12月の売上 1,100,000円
非常に順調な滑り出しな売上。
売上が軌道に乗り始めた9月からはアシスタントさんを採用し、給与を支払い始めています。
7月の利益 100,000円
8月の利益 200,000円
9月の利益 200,000円
10月の利益 200,000円
11月の利益 300,000円
12月の利益 400,000円
お店としては、確実に生存体制に入ってきています。
では、この年の税金は?
今年はオープン初年度です。
美容室の内装工事や美容機材などは、今年に全額経費にすることは出来ませんが、オープンまでに使った経費がたくさんあります。
こういった経費は「開業費」と言いますが、
この「開業費」はいつでも好きなタイミングで経費にすることが出来ます。
今年の利益は、合計で140万円。
青色申告特別控除の65万円を差し引くと、75万円の利益。
開業の為に使った経費の一部を今年の経費として計上すると、
今年は、お店の経営から発生した利益に対してかかる税金は0円にすることが出来ます。
正しい税金の計算は、
お店を辞めるまでも受け取った1月からの給与と、このお店からの事業所得を合計して税金を計算します。
年収が300万円程度の半分の150万円程度の給与だったとすれば、その年は、ほとんど税金が掛からないことになります。
むしろ、
働いてきた時に天引きされていた税金が戻ってくるケースが多いです。
なので、開業1年目の税金は、0円という方が多いです。
開業2年目の税金はどうなるのか?
1年目の後半から生存体制が出来上がってきていた状態でスタートします。
自分一人の売上と、アシスタントさんのフォローの仕組みが安定し、毎月の売上も適正売上を維持し始めます。
この段階で、
アシスタントを採用するのか、スタイリストを採用するのかで、お店の売上も変わります。
まずは安定するためにアシスタントを採用したケースを考えてみます。
毎月の売上は1,200,000万円を維持。
お店の経費も安定し、アシスタントへの給与は15万円前後。
お店の利益は約400,000円。
年間で5,000,000円の利益になります。
ここから青色申告特別控除や、事業主の所得控除を差し引きします。
事業主の所得控除は、国民年金と健康保険で約300,000円と仮定、扶養はなしで計算すると、
所得税と住民税を合わせると、約700,000円になります。
所得税だけで約320,000円。
前の年までは、0円だった所得税が、
一気に320,000円まで跳ね上がります。
もう1つのケースとして、
スタイリストを採用、もしくは美容師免許を持った奥様と一緒に仕事としているケースを考えてみます。
売上が約2,000,000円。
毎月の利益が800,000円。
年間約10,000,000円の利益の場合、
所得税と住民税を合わせると、約2,300,000円。
所得税だけで、約1,400,000円。
前の年までは、0円だった所得税は、
一気に1,400,000円です。
多くの方は、この税金の高さに衝撃を受けます。
ここで、大きな選択を迫られることになります。
高い税金を払うくらいなら、、、
この大きな壁にどう立ち向かうかでで、美容室経営が変わってきます。
その選択については、また別記事でご紹介をさせて頂きます。